野村芳太郎監督。緒形拳主演、岩下志麻。松本清張原作の同名小説の映画化。1978年。
<ストーリー>
舞台は埼玉県・川越市。印刷屋を営む宗吉は、妻・お梅に隠れ、料理屋の女中・菊代を妾として囲い、7年の間に3人の子供を産ませていた。しかし宗吉の印刷屋は火事で設備の大半を失い、再建しようにも得意先の大半を大手の印刷会社に奪われ、融資の都合もつかず火の車。菊代に月々の生活費も渡せなくなっていた。生活に窮し業を煮やした菊代は3人の子を連れ、印刷屋に乗り込んできた。
愛人と隠し子の存在を知ったお梅は激怒し、子供たちの前で菊代と宗吉を攻め立てる。そして翌朝、菊代は印刷屋に子供たちを置き去りにして姿を消した。父として、なんとか子供たちを家に置いてやりたいと思う宗吉だったが、はなから「他人様の子供」など育てる気の無いお梅は、子供たちに鬼のようにつらく当たるのだった。まさに虐待そのものだったが、気弱な宗吉は子供たちに「おばちゃんの傍に行ったらだめだぞ」といい含めるのみだった。
ついに末子である次男・庄二が、お梅による育児放棄の末、衰弱死する。お梅は残りの子供も処分することを宗吉にせまり、宗吉は長女・良子を東京タワーに連れて行き、置き去りにする。さらに長男・利一をも毒殺しようとするものの果たせず、2人で涙に暮れる。
それでもお梅は譲らず、宗吉は息子を連れ、東海道新幹線に乗った。それは利一の死に場所を探すための、あてのない旅だった。やがて能登半島にたどり着き、日本海を臨む岸壁で、宗吉は利一を海に落す。利一は、漁師に助けられ命をとり止めたが、刑事達に事情を聞かれても、黙秘を貫くのだった。しかし利一の持っていた、石版印刷に使う石材のかけら(利一はこれを石蹴り遊びに使っていた)から足が付き、川越の印刷所に能登の警察が来訪。宗吉は殺人未遂の容疑で警察に逮捕される。
刑事に付き添われ、宗吉は北陸の警察を訪れる。自身を崖から突き落とした父を目のあたりにして、利一は涙を堪えながら「父ちゃんなんかじゃないやい!」「知らないおじさんだよ!」と否定する。そんな利一にすがりつき、宗吉は後悔と罪悪感で号泣するのだった。(Wikipediaより転載)
<感想>
最後のシーンは何かで見ましたが、ちゃんと観たことがなかったので視聴。
観る時によって感情移入先が変わりそうな映画。今回は正妻のお梅に同情しました。子供を捨てる妾、気持ちは分かるけど覚悟が足りない。いちばん悪いのは夫なのだけど、お梅は子供ができないのだから、あの仕打ちは可哀想。いきなり来て家を荒らされたり、ご飯をあんなにされたら腹が立つわ。子供がいた人は分かるんだけどね、大人だけで生活してて、まして妾の子、そりゃ可愛くないわ。
最初から施設に預けるって方法はなかったのかな?そんなことを考えました。
あと昔の町がとてもノスタルジー♡