土井裕泰監督。菅田将暉主演、有村架純、清原果耶、細田佳央太、オダギリジョー。2021年。
<ストーリー>
2020年の某所某日。あるレストランにおいて恋人のような雰囲気の若い2人が、1つのイヤホンを片方ずつ共有して同じ音楽を幸せそうに聞いている。それを見ていた別々のテーブルに座る山音麦と八谷絹は苛々としたやけに感情的な様子でイヤホン共有の是非について若いカップルであろう2人に対するどこかで聞いたような内容の批判と蘊蓄をそれぞれの同伴者に語り始める。「あの子たち、音楽、好きじゃないな」「音楽ってね、モノラルじゃないの。ステレオなんだよ。イヤホンで聴いたらLとRで鳴ってる音は違う」「片方ずつで聴いたらそれはもう別の曲なんだよ」。麦と絹、それぞれの同伴者が2人の急な様子の変化に面を食らいつつ、イヤホンを片方ずつ共有して同じ音楽を聴いている2人を擁護するが、余計にヒートアップした麦と絹はイヤホンを共有している見ず知らずの2人へ上記の様な批判や蘊蓄を指摘しようかとほぼ同時に立ち上がった直後、2人は目が合う形で互いの存在に気がつく。固まったように立ち尽くしながら一瞬無言で見つめ合い、それによって冷静さを取り戻した2人はそれぞれの同伴者が居るテーブルへ何ごともなかったように大人しく戻っていった。別々のテーブルに座る麦と絹の2人はあの仲の良い若いカップル同様数年前まで付き合っていた元恋人同士であった。
時は遡り2015年の東京。大学生の麦と絹は、ともに京王線明大前駅で終電を逃したことをきっかけに知り合う。ほかの終電を逃した人々を交えて深夜営業のカフェで語り合った二人は、その場に押井守がいることに自分たちだけが気付いたことで共感し合い、好きな文学や映画、音楽などのカルチャーにおける趣味の傾向がまるで合わせ鏡のようにマッチし似通っていると感じる。
ミイラ展やガスタンクなど、互いの好きなものを紹介し合い、一緒に楽しんだ末に麦から告白し、恋人同士になった二人は大学を卒業後フリーターとなり、調布市郊外の多摩川沿いの部屋を借りて同棲生活を始める。イラストレーターを志していた麦だが、その仕事は安く買い叩かれる。絹は簿記の資格を取り医院の事務仕事を始める。同棲の部屋を訪問した二人の親たちは、彼らに社会人としての責任感を問い、麦は親からの仕送りを絶たれる。麦は二人の生活維持のために営業職として就職し、やがて仕事に忙殺されイラストへの熱意を失う。麦は絹とともに楽しんでいた漫画やゲームの新作にも興味を失い、二人の間の会話やセックスもなくなってゆく。
そんなある日、絹は収入は下がるが好きなことを仕事にできるイベント会社への転職を決める。しかし麦は遊びの延長のようだとその仕事を見下す言葉を放ち、言い争った勢いで絹にプロポーズし、仕事をやめて好きなことをすればいいという。絹はそのプロポーズを拒絶する。
2019年、冷めきった関係のまま、友人の結婚式に招待された麦と絹は、その後ファミレスで別れ話をするが、麦は土壇場で別れたくないと言い出し、結婚し恋愛感情が失われても長年連れ添っている夫婦のように、家族の関係を続ければいいという。そのとき、近くの席に現れた2人組が、好きなカルチャーについて語り合う姿を見た絹は、何を思ったのか店を飛び出す。麦は絹の後を追って二人は抱擁し、別れを決める。引っ越しまでの3か月間、別れた後の二人は共有の家具や同居猫の行き先を自分たちらしく相談しあい、一緒に好きなものを楽しむ日々を送る。
2020年、冒頭のシーンに戻り、麦と絹はそれぞれの同伴者との食事中、偶然同じレストランで再会する。二人はお互いに名乗らず、背を向けたまま相手に手を振ってその場を離れる。後日、麦がGoogle ストリートビューの画面に、多摩川沿いを歩く自分と絹のかつてのぼやけた姿を見つけるシーンで物語は幕を閉じる。(Wikipediaより転載)
<感想>
切ないよ、と聞いて観ました。この手の映画はハピエン多いですものね。
恋の始まり、これは誰もが経験したことなんだろうなあ。できる限り一緒にいたい時。でも就活上手くいかないから同棲はどうなのかなー。擦れ違っていく未来、見えました。どっちもどっちなんですが、私は女性なので女性目線で。仕事の応援、してあげて欲しかったな。別れを決めてお店で話すシーン。男はやっぱ一緒にいようと言う。それをキッパリと、同じことを繰り返すだけ、と断る女。ああ、分かるなー!!
別れた後もまだまだ若い。この恋を糧に、また上手く恋をしていくのでしょう。自分のことを思い出し、切なくなった作品でした。

