聖地には蜘蛛が巣を張る  HOLY SPIDER

アリ・アッバシ監督。メフディ・バジェスタニ主演、ザーラ・アミール・エブラヒミ。デンマーク・ドイツ・スウェーデン・フランス合作映画。2022年。

聖地には蜘蛛が巣を張る

<ストーリー>
イランの女性ジャーナリストであるラヒミは、廟への巡礼者で賑わう聖地マシュハドで発生した「蜘蛛殺し」と呼ばれる被害者が全て娼婦の連続殺害事件を追っていた。捜査に消極的な警察に不信感を抱いたラヒミは、地元の犯罪記者と手を組み、自ら囮(おとり)となることで、犯人が退役軍人のサイードであることを突き止めた。
16人の娼婦を殺した罪で法廷に立たされても、神から授かった仕事として「街を浄化している」と胸を張るサイード。町には彼の犯行を英雄視し、娼婦を憎む熱狂的な支持者がおり、裁判所の前には釈放を求めるデモ隊が集まった。
判決として12回の死刑やムチ打ちなど多くの刑が確定した。牢に訪ねて来た有力な友人から、形ばかりの死刑執行の後に逃がすと保証され、落ち着き払って刑場に向かうサイード。しかし、絞首刑は実行された。ラヒミたちが見ている前で、脱走は不可能だったのだ。
仕事を終えて町を去るラヒミ。だが、彼女の撮影したインタビュー記録の中では、サイードの息子で父親を英雄視しているアリが、娼婦がいる限り第2のサイードは現れる。自分も後を継げと言われていると、誇らしげに父の殺人を再現していた。(Wikipediaより転載)

<感想>
オススメに出ていたので視聴。イランで実際にあった事件が元になっているらしい。
犯人の行動は非道で、刑も全く納得なのだけど、周りや息子が誇らしげなのが何とも言えない気持ち。憎むべきは彼女たちではなく、そういう人を生む社会だし、買う男も悪いのにな。妻や娘を愛している様子なのも、歪んだ価値観を感じました。しかし女性は生きづらい国だよねえ。
とても興味深い作品でした。