時空の旅人

真崎守監督。声、村田博美、戸田恵子、岩田光央。1986年。

時空の旅人

<ストーリー>
新暦392年、NEO TOKYO。一人の少年がタイムマシンで脱走するところから物語は始まる。
現代の女子高生早坂哲子は、カメラマンの兄の撮影に付き合うためにロケ用のマイクロバスに乗りこむ。しかし、兄が車を離れた隙に謎の少年アギノ・ジロが運転席に駆け込み、持ち込んだ機械をバスに取り付けて作動させる。偶然バスに乗っていた哲子と、哲子の同級生である長谷川真一や山崎信夫、教師の北勉(ホクベン)はアギノ・ジロと共に1945年の東京大空襲の現場にタイムスリップしてしまう。焼夷弾が降り注ぐ中、一行は日本軍の将校に敵国のスパイと睨まれて追い回されるも、一人の男子学生に助けられる。哲子が炎に囲まれて孤立してしまうが、男子学生の助力を得て難を逃れ、バスに乗り込んだ一行は再び時を超える。
バスは1868年の攘夷戦争で娘と夫を亡くした老婆の営む茶店に降り立つ。一時は老婆は一行を盗人と間違えて襲い掛かるも、ホクベンを亡き夫だと思い込んだことで一転して歓迎する。しかしそこへジロを追うタイムマシンがあらわれ、やむなく一行はバスに乗って走り去る。追い縋る老婆を見捨てられずバスを飛び降りたホクベンだが、直後にタイムマシンに攫われてしまった。
哲子たちはバスで慶長5年(1600年)の関ケ原の合戦の最中に降り立つ。怪しまれないようにと足軽に変装した哲子たちは島左近と共に徳川家康を暗殺しようとする平野兵蔵に遭遇。しかし彼らの作戦は謎の忍者によって阻まれ、失敗してしまう。どうやら家康暗殺を手引きしていたのは歴史改変を目論む未来人らしく、それを阻止した忍者もまた、歴史を守るべく現れた時間管理局員だという。忍者は「さっさと帰るんだな」と言い残して去っていき、その場を逃れた一行は洞窟に身を隠すも、そこに時間管理局のクタジマ・トシトがホクベンを連れて現れる。クタジマはジロを未来に連れ戻すべく追ってきた人間であり、哲子たちも元の時代に帰してやると言うが、その嫌味な態度に哲子たちは反発する。そこに暖を求めて現れた兵蔵の助力によってクタジマから逃れ、ホクベンと兵蔵も連れて一行はさらにタイムスリップする。
一行がたどり着いたのは天正10年(1582年)5月28日の織田信長が治める安土城下だった。バスがついに大破し、時を超える術を失った哲子たちだが、信長は「未来国」から来たという一行に興味を持ち、城で歓待する。森蘭丸を見た哲子は、彼が東京大空襲で出会った男子学生の前世だと直感する。やがて哲子は蘭丸と恋に落ちる。ホクベンはクタジマの行動がジロを追うにしては変だと疑問を呈するが、それよりも「どうしてこうなったのか知りたい」という哲子の問いにジロは自分の身元を明かす。西暦2080年、地球では核戦争で各都市が消滅。残った人間は障壁で囲んだNEO TOKYOで暮らす「新暦」の時代が始まった。新暦の都市には争いがなく、過去の悲惨な歴史を知ろうとするものは病院に送られる。歴史に興味を持ったジロは真実を知ってしまい、治療を拒んで未来世界を脱走していたのだ。
6月1日、明智光秀が謀反の兵を動かす。信長の出兵に同行を求められる一行だが、行き先はあの本能寺であり、歴史を知る彼らにとっては待ち受ける運命は明らかだった。しかし哲子は蘭丸を守るべく自らの意思で帯同する。兵蔵は近くにある生家の両親に会いに行くと言って別行動を取る。しかし彼が向かったのは光秀の元であり、光秀の首を落とし本能寺の変を阻止する。経緯を知った信長は兵蔵を重用し、もう一人の謀反人と睨む羽柴秀吉の討伐を命じる。歴史が変わってしまった。安土城に居た茶人は自身が時間管理局員セドウド・ジンであることを明かす。彼が関ケ原での家康暗殺を阻止した忍者の正体だった。セドウドは真一たちを茶室型のタイムマシンに乗せて過去に戻り、兵蔵を気絶させて元の時代に送り返し、歴史を修正する。実は兵蔵はクタジマに意識を操作され、光秀を討っていたのだった。歴史改変を目論んでいたのはジロを追跡するクタジマであり、ジロを追うことを口実に歴史に介入していたのだ。家康暗殺未遂も裏でクタジマが手引きしていたのだった。歴史改変を諦めないクタジマは逃走するが、行き先が分かっているセドウドは「敵は本能寺にあり」と告げて後を追う。
本能寺が焼き討ちされ、信長は戦に無用の者達を逃がすよう蘭丸に命じる。蘭丸は哲子を逃がそうとするが、哲子は自分だけ逃げる事を拒む。一方、自害する寸前の信長をクタジマは救出しようとするも、追ってきたセドウドに阻まれる。しかし二台のタイムマシンによる磁場の乱れで互いに身動きが取れなくなり、ジロは真一たちを元の時代に帰すことを条件に、クタジマへの特攻を申し出る。クタジマのマシンにワープしたジロはもみ合いの末にクタジマに致命傷を与える。しかし実はクタジマは肉体を無くしたサイボーグであり、自分のような存在を生み出さないために核戦争の無い歴史を作ろうとしていたのだった。ジロはクタジマの意志に共感し、協力を申し出る。本能寺ではセドウドが哲子一人を保護しようとするが、蘭丸が歴史通り死ぬべきだと告げられた哲子は反抗。セドウドは咄嗟に刀を振り、哲子の小指を斬りつけてしまう。そこにジロが降り立ち、セドウドに銃を向け、哲子だけではなく蘭丸と信長も救出しようとする。しかし信長は既に自身の歴史を受け入れて腹を切っており、蘭丸に自分の首を敵に渡さぬように言い残して果てる。動揺したジロの隙を突いてセドウドは蘭丸を殺そうと襲いかかるが、ジロが咄嗟に放った銃に撃たれる。その一撃で時場が狂い、直撃したセドウドはおぞましい姿となって消滅する。ジロは蘭丸も連れて行こうとしたが、間一髪間に合わず彼は時空のはざまへと消えていった。歴史通り本能寺は焼け落ち、失神した哲子たちはクタジマに救出されて記憶を消されたが、マシンを操縦できるのはクタジマだけであり、そのクタジマの命も尽きかけていた。ジロは「生き延びたらあんたの志を継ぐ」とクタジマに告げ、代わりにマシンを起動して哲子たちを現代に送り返し、壊れかけたクタジマと共に時空の彼方へと飛び去っていった。
時間は哲子たちが兄のバスに乗り込んだ日に戻る。哲子の小指には見知らぬ怪我があり、見知らぬ布が巻きつけられている。ホクベンはバスを見て「懐かしい気持ちになった」という。哲子も小指の布を見て同じく懐かしくも切ない不思議な気持ちになるのだった。(Wikipediaより転載)

<感想>
昭和のアニメ特集にあったので、萩尾望都さんキャラデザなんだよねえ、と視聴。うん、古いなー。マッドハウスさんが作ってたんだー。キャラはいかにも萩尾望都さんで好き。日本の歴史で重要なのはやはり、本能寺の変なんですね。エンドクレジットで原作が眉村卓さんと知る!懐かしい〜。ジュブナイル小説、好きでよく読んだなあ。