川村元気監督。二宮和也主演、河内大和、浅沼成。KOTAKE CREATE『8番出口』ゲームの映画化。2025年。
<ストーリー>
プロローグ
満員の地下鉄に乗り込んだ「迷う男」は、泣き叫ぶ赤ん坊とその母親が、怒った男に怒鳴られている様子を目撃する。迷う男は母子を気に掛けつつも、結局は視線を逸らし、何もせずに地下鉄を降りた。
派遣現場に出勤するため駅の出口へ向かう迷う男の元に、別れ話が持ち上がっている恋人の「ある女」から電話がかかってくる。妊娠が発覚したと言う彼女に、何も決められない迷う男は歯切れの悪い返事を続けるが、不自然に電波が圏外になる。
迷う男
迷う男は、前方の曲がり角から歩いてきて通り過ぎていく「おじさん」と何度も遭遇したことで、自分が同じ通路(空間)を歩き続けていることと、通路の曲がり角に見慣れぬ案内板が設置されていることに気付く。
「異変を見逃さないこと」「異変を見つけたら、すぐに引き返すこと」「異変が見つからなかったら、引き返さないこと」「8番出口から外に出ること」
異変がない通路を素通りすると、案内板の横にかかっている出口表示の番号が0から1に増えた。天井から液体が滴ってくる、壁のポスターの表示がおかしい、おじさんが途中で立ち止まるなどの異変を察知して引き返すと、更に番号が増えた。迷う男はこの通路の法則を理解し、怪奇的な異変に怯えつつ8番出口を目指すが、そこにある女から電話がかかってくる。迷う男は「地下鉄の母子を見捨てた自分は人の親になっていい存在なのかわからない」と吐露し、泣きながら通路を通り抜けるが、出口番号は0に戻ってしまっていた。電話も異変の一部と知った迷う男は錯乱し、通路の真ん中で倒れこんでしまう。やがて立ち上がり、再び歩き出した迷う男は、異変らしき「少年」を目撃して通路を引き返す。
歩く男
時間は、迷う男が通路に囚われる少し前に戻る。彼と同じように通路に囚われたおじさんこと「歩く男」は、通路で出会った少年を連れて8番出口を目指していた。そんな時、通路の向こうから歩いてきて通り過ぎていく女子高生風の女性が突然話しかけてくる。歩く男は自然な話し方に一時は気を許しかけるが、結局は彼女も異変の一部に過ぎず、慌てて通路を引き返す。歩く男は言葉を一言も発しない少年を気遣ってはいたが、恐怖と焦燥のあまり何も信じられないようになっていく。
立ち止まった少年を強引に前に進ませた歩く男は、0に戻った出口番号を見て取り乱してしまう。再び通路を進み始めた歩く男と少年の前に、出口らしき上り階段が現れた。歩く男はその場から動こうとしない少年を置いて階段を登っていく。通路を引き返した少年が見たのは、1に増えた出口番号と、女子高生風の女性に代わって通路の向こうから歩いてきて通り過ぎていく、異変の一部と化した歩く男だった。その後、少年は自分を見て引き返していく迷う男を目撃し、その後を追う。
少年
出口番号が0のまま変動していないことで、少年は異変の一部ではないと気づいた迷う男は、少年と共に通路を進む。少年は異変によく気が付いたが、通路に現れたある女を見た途端、彼女を「ママ」と呼んで駆け寄ろうとする。迷う男は少年を引き留め、気絶した彼を抱いて通路を引き返した。出口表示の前で目覚めた少年は「ママに見つけてほしくてワザと迷子になった」と告白し、それを聞いた迷う男は幼い頃の自分を少年に重ね合わせる。迷う男と少年は心を通い合わせ、少年はお守りの貝殻を迷う男に渡す。
通路を進む2人は、前方から流れ込んできた濁流に飲み込まれる。迷う男の脳裏に浮かんだのは、ある女と、ある女の間に生まれた少年と共に、海岸で遊ぶ自らの姿だった。迷う男は少年を天井の吊り下げ案内板に捕まらせた後、流されていく。水が引き、瓦礫に覆われた通路で1人目覚めた少年は、出口番号が7になった通路を進み、曲がり角の向こうに姿を消した。
8番出口へ
少年の後に続く形で通路を進んできた迷う男は、遂に8番出口にたどり着く。そこはいつもの地下鉄の駅通路に繋がる下り階段だった。迷う男はある女に電話をかけ、今からそちらへ向かうと伝える。
満員の地下鉄に乗り込んだ迷う男は、泣き叫ぶ赤ん坊とその母親が、怒った男に怒鳴られている様子を目撃する。迷う男は母子から視線を逸らすが、やがて涙ぐみながらも再びそちらへ顔を向け、身を乗り出すのだった。(Wikipediaより転載)
<感想>
手術後、初めての映画鑑賞。初日に行きたかったけれど、体力が戻らず、この日に。
ゲームはYoutubeで花江夏樹さんがやっていたのを観たくらい。なので、冒頭のアレンジに「おや?」と思いました。乗客にヒカキンいるし。なるほど、ゲームだけでは持たないので、こういう設定を盛り込んで映画にしたのですね。別れた彼女なのに堕させるの迷うんだ…、いや、普通にクズなんだけど。
子供が出てきて、おやおやとまた。ありがちだけど、心に響きますね。時系列謎ですが(笑)
水が来るとは知っていたのですが、その黒さにビックリ。ああ、本当の津波なんだ。そして主人公は体験者だったのですね。
後から考察サイトを見て、なるほど、なるほどと。傑作と言われていた理由が分かりました。
※日本未発売のため画像はパンフレットから。