樋口真嗣監督。草彅剛主演、細田佳央太、のん、要潤、尾野真千子。1975年の映画『新幹線大爆破』がNetflix映画としてリブート。2025年。
<ストーリー>
2025年5月23日、盛岡新幹線車両センター青森派出所。盛岡新幹線運輸区所属の車掌・高市和也は、修学旅行で訪れた臺葉工大附属高等学校の生徒たちに、新幹線についての説明や質疑応答を行っていた。
その後、高市は便乗車掌の藤井慶次とともに、15時17分新青森発東京行きの「はやぶさ60号」(5060、新幹線E5系電車U75編成)に乗務する。列車は定刻通りに新青森駅を出発したが、ほどなくして「はやぶさ60号」に爆弾を仕掛けたという連絡がJR東日本ご意見承りセンターに寄せられる。犯人は列車の速度が100 km/hを下回ると爆発するといい、爆弾が本物であることを証明するため、青ヱ森鉄道線[注釈 5]の貨物2074列車にも5 km/h以下で爆発する同種の爆弾を仕掛けたと告げる。青森東駅の職員はその旨を疑うも、実際に貨物2074列車は大爆発を起こす。
この事実を知ったJR東日本新幹線統括本部長・吉村慎之介は、直ちに総合指令所の統括指令長・笠置雄一に連絡し、「はやぶさ60号」以外の列車の退避を命じる。60号が青森県上北郡七戸町を過ぎた頃に、指令所の永野は60号の運転士・松本千花に連絡。速度を100 km/h以下に落とさないよう指示した。そして笠置は高市に、乗客に対して爆弾の存在を公表せず、次の停車駅である八戸駅は「運行上の問題」で通過扱いとすることを命じた。青森県上北郡おいらせ町を過ぎた頃、高市は乗客らに八戸駅を通過することを伝えた。その後、指令所には警視庁捜査一課特殊犯捜査係の警部補・川越吉晴が到着。60号が八戸駅を通過した後、犯人から指令所に電話が入り、日本国民全員に爆弾の解除料金として1,000億円を要求した。
やがて指令所には、政府から総理補佐官の佐々木健太郎が派遣される。佐々木は指令所の判断を覆し、60号の乗客に爆弾の存在を公表するよう指示。高市が爆弾についてのアナウンスを行うと、乗客の野坂らが車掌室に詰めかけ苦情を入れてきた。そんな中、60号に乗っていた衆議院議員・加賀美裕子は彼らをなだめようとするも、自身にママ活不倫の疑惑がかかっていることを突かれ、トラブルに発展してしまう。一方、内閣官房長官の諏訪茂は会見で「テロリストの要求には応じない」ことを断言するが、爆弾の解除料金について触れなかったため、犯人はYouTube上に解除料金についての動画をアップロードする。その動画は60号に乗り合わせていた起業家YouTuber・等々力満によって一気に拡散され、車内はさらなるパニックに見舞われる。
同じ頃、盛岡駅では先行の東京行き「はやぶさ32号」(3032B)が車両トラブルで起動不能となり、上り線を支障していた。笠置は60号を盛岡駅手前で下り線に転線させようとするも、新函館北斗・秋田行き「はやぶさ・こまち27号」(3027B)が接近しており、衝突の危険があった。笠置は少しでも時間を稼ぐべく、松本に100 km/h寸前まで速度を落とすよう指示。2列車は互いに車体を接触させながらも走行に支障はなく、60号は下り線を通って盛岡駅を通過することに成功した。
高市が車内点検のために離席し、藤井だけが残された車掌室に等々力が現れる。等々力は車内放送用のマイクを通じて、身代金を自らのクラウドファンディングで募ることにしたことを報告する。乗客らはInstagram等のSNSでその事実を拡散し、身代金が集まっていく。
その頃、川越たちは本件について、50年前の1975年に発生したひかり109号爆破未遂事件(109号事案)との繋がりを疑い出していた。60号が岩手県北上市を過ぎた頃、乗り合わせていた二人組YouTuber「金敵Good Luck」は、整備不良のヘリを小学校へ墜落させ児童の死者を出してしまったゴートゥーヘリサービス元社長・後藤正義が60号に乗っていることを知り、彼を痛めつける様子を生配信する。後藤は修学旅行生の一人である小野寺柚月に非常ブザーを押させる。しかし60号は止まることなく、高市の業務用スマホが鳴っただけだった。後藤は意識を失ってしまい、高市は60号に乗り合わせていた女性医師に協力を仰ぎ、後藤を安静にさせる。
指令所は新幹線運輸車両部マネージャー・山本由紀乃を迎え、60号の乗員・乗客の救助作戦を立案する。笠置はその作戦を60号が岩手県一ノ関市を過ぎた頃に高市へ通達する。高市は乗客らに作戦を知らせ、電気工事士を求める。作戦第一段階は、9012B(E956形新幹線高速試験電車・ALFA-X)を併走させ、60号と乗務員室の扉同士で滑車付きロープを結び、工具を運搬するものであった。アテンダントの二宮春香と高市、櫻澤学園の柔道部の男性は工具を受け取ることに成功し、併走号は作戦を離脱した。作戦第二段階は、宮城県宮城郡利府町の新幹線総合車両センター(幹総)から指示を出し、60号に乗り合わせていた第一種電気工事士・篠原圭造に電気系統を触ってもらい、非常ブレーキを作動しないようにするものだった。それも成功し、9・10両目との連結器を切り離すことにも成功した。9・10両目には爆弾が仕掛けられており、切り離したあと直ぐに爆発した。そして、作戦最終段階として幹総の主務である元運転士の福岡祐希を乗せ、先頭車両を取り外した9014B(救出号)新幹線を宮城県仙台市の仙台駅~古川駅の間で側線から本線へと入り、60号に追いつかせるというものだった。宮城県柴田郡大河原町付近で救出号は60号と追いつき、車輌間に簡易の橋をかけ、乗員・乗客を運ぶことに成功した。
しばらくして、生徒の小野寺柚月が居ないことに気付いた教員・市川さくらが救出号から60号に戻ってしまう。それを見た加賀美と秘書の林広大は彼女を追いかけ、等々力も成り行きで戻ることになってしまう。60号では意識を取り戻した後藤がゴルフクラブを持って暴れており、高市と藤井はその事に手を煩わされていた。それを見た加賀美は後藤を一喝して宥め、高市は残っている乗客らを救出号へ連れていくよう藤井に指示した。その時、救出号の非常ブレーキが作動し、60号のスピードが落ちてきてしまった。このままだと二車輌ともに被害を受けてしまうため、松本は急ブレーキをかけ、ブレーキが連動していない救出号を連結部に衝突させての連結切り離しを試みる。衝撃で橋は破壊されて切り離しには成功したが、橋の残骸が藤井の背中に刺さってしまい瀕死の重傷を負ってしまう。
乗員・乗客349名のうち、340名は救出号へ移動できたが、9名は60号に取り残されてしまった。市川は60号の車内で柚月を発見する。指令所の佐々木はもう一度同じ作戦を行えばいいと訴えたが、車輌の構造上同じ作戦は出来ないと山本は断言する。60号は宮城県白石市の白石蔵王駅を通過し、取り残された乗客らは心中を吐き出していた。柚月は親に電話をすると8号車を後にし、その背中を高市は見つめていた。その時、高市の視界にポスターが入り、高市は新たな作戦を思いついた。60号が福島県伊達郡国見町を通過している頃、指令所で佐々木と笠置の意見が対立し混乱が生じていた。そこに高市が電話をかけ、思いついた作戦を話した。それは、東京駅で東北新幹線の線路を東海道新幹線へと繋ぎ、60号を鹿児島中央駅まで走らせて時間稼ぎを行い、その間に爆弾を解除するという作戦だった。佐々木は最初は悩みつつも、国土交通省の認可を取るべく作戦に協力する姿勢を示す。
柚月は、父親の小野寺勉に電話をかけていた。勉は元警察官で、109号事案の際に犯人のひとりである古賀勝が自爆した現場に臨場していた。警察上層部は犯人が自爆した事実を隠すため、勉を勝を射殺した英雄に仕立て上げていた。そのプライドや妻との死別から、柚月に対して精神的・肉体的な虐待を繰り返しており、柚月を奴隷のように扱っていた。その事を柚月は恨んでおり、嘘の日常を壊すというスローガンを掲げ、憎き父親の象徴である新幹線に爆弾を仕掛けたのだ。そして自身の家にも爆弾を仕掛け、遠隔操作で勉を家ごと爆破して殺害した。柚月は8号車に戻り、高市らの前で指令所に電話をかけ、自身が犯人であると自供した。目的を達成した柚月は60号に仕掛けた爆弾の解除方法を伝える。それは柚月の体内にある小型の心臓モニターが心拍を検知できなくなると爆弾が解除されるという仕組みだった。つまり、爆弾を解除するには柚月を殺害するしかないという事だった。
そんな中、東京駅の東海道新幹線14番線ホームと東北新幹線23番線ホームでは高市が考えた案である臨時の路線延長工事が大宮新幹線保線技術センター副所長である新庄一を中心に行われていた。そして60号では等々力と林が揉め、また混乱が生じていた。市川は柚月に寄り添おうとするも、これまでの自身の行為を指摘され、市川は今まで柚月に対してしてきたことを後悔する。茂木らは柚月のInstagramのアカウントを発見し、頻繁に柚月と連絡を取り合っていた男のアカウントを発見する。それは大英興業に務める発破技士の男・古賀勝利で、109号事案の犯人である古賀勝の息子だった。川越は埼玉県警を向かわせ、勝利の身柄を確保した。犯人の動きは明らかになったが、60号は爆弾を乗せたまま東京に近づいており、福島県二本松市を通過した。藤井の容態は悪くなる一方で、さらに追い打ちをかけるように、東京駅の臨時路線延長工事は国土交通省やJR東海からの反対で中止になってしまった。
指令所は絶望の空気に包まれ、新庄らの元にも中止の知らせが届いていた。そのことを笠置は高市に知らせ、笠置は高市に60号の行く末を託した。為す術がなくなった高市は柚月の首を絞め、窒息死させようと試みるも彼は柚月を殺害できず、抱きしめてしまった。柚月は高市の優しさに触れ、涙を流した。川越は埼玉県の警察署にいる勝利にオンラインで取り調べをしていた。勝利は柚月の環境に同情し、爆弾を渡したと話した。川越は勝利のもうひとつの動機を指摘した。それは自身の父である勝の自決を汚したというものだった。川越は勝利から爆弾の位置も聞き出し、笠置と吉村に報告した。笠置らは60号を止めようとゼロ地点を話し合っていたが、新たな作戦を埼玉県久喜市の鷲宮信号場周辺で行うことにする。笠置は諏訪・高市・指令所をオンラインで繋いで作戦の概要を話し、他に方法はないと悟った諏訪は作戦に協力する旨を告げた。
60号は栃木県那須塩原市を過ぎ、乗客らは最後の作戦に備え、ありったけの緩衝材となるものを探していた。高市は運転室へ行き、松本に60号を120km/hに固定させて共に8号車へ戻った。鷲宮信号場高架下では消防隊や救急隊が集まり、60号の接近に備えていた。一方、救出された乗客らはバスに乗り、宮城県仙台市仙台東部道路から60号の行方を見守っていた。60号は茨城県古河市を過ぎ、鷲宮に近づいていた。関係者は最後の準備を済ませ、その時を待っていた。そして、60号の7号車が鷲宮保守基地の52号転てつ機に差し掛かった際にポイントを変える。60号が火花を散らす中、更にその先の51号転てつ機を操作し、7・8両目を脱線させ、1~6両目を切り離した。7・8両目はそのまま本線へ転がり、1~6両目は側線へと入った。鷲宮分岐で1~6両目はスピードを失ったために1・4・6両目の爆弾が爆発し、炎上しながら防音壁を超えて地上に落下する。7・8両目はまだ止まることが出来ず、強い衝撃に耐えていた。そのまま横向きとなっていた7両目に8両目が突っ込み、7両目は大破。それでも止まれなかった8両目は用意されていた緩衝用丸型クッションドラムに突っ込み、ようやく静止した。
救助隊はすぐさま8両目へ向かい、全員の生存を確認して救助した。指令所はその報告に喜び、安堵の気持ちに包まれた。笠置は大宮・小山間、仙台・古川間を運休とし、その他の路線での運転再開を命じた。藤井はすぐに病院へ搬送され、柚月は警察に確保され救急車に乗せられる。待ち構えていた川越は、古賀の本当の目的を柚月に話したが、逆に柚月から重い言葉を投げかけられる。そんな柚月に川越は、等々力が行ったクラウドファンディングの目標金額達成画面を見せ、少しの希望を見せた。柚月の目は少し潤み、視線に気づいて高市と無言で見つめ合った直後、救急車は病院へと向かい走り出す。加賀美・林・等々力・後藤・市川たちは毛布に包まり、高市を見つけるとお辞儀をして救急隊の案内に応じ歩き始める。乗客たちの無事に安堵する高市に松本が歩み寄って救援物資を差し入れし、高市の制帽を手渡す。高市と松本は他の職員たちと合流し、賞賛の言葉をかけられるのだった。(Wikipediaより転載)
<感想>
旧作は観てません。途中までは面白かったのですが、犯人が判明してから、うーんと。だって、可能ですか、これ?仲間も無く??理由はなかなか劇的で良かったですが、無理だよねえ、となってしまいました。でも、まあ、楽しんで観れました。