木下麦監督。声、小林薫、戸塚純貴、満島ひかり、ピエール瀧。2025年。
<ストーリー>
無期懲役囚として刑務所に服役する初老の男・阿久津実の独房には、空き缶に入った一鉢のホウセンカが置かれていた。そのホウセンカの声が阿久津に聞こえるようになる。ホウセンカは、かつて阿久津がある女性およびその息子と暮らしたアパートの庭先に以前植えられており、自分たちは個体として死んでも記憶は代々受け継がれると話して、阿久津がアパートに住み始めた1987年からの出来事について会話を始める。
阿久津はそのころ堤というヤクザの舎弟だった。同居する女性の永田那奈やその息子の健介は血縁のある家族ではなかった。それでも阿久津と那奈は休日に揃って町歩きを楽しむなど、つつましく暮らしていた。そんなある日、若手で進取的な組員の若松が、これからは土地で稼ぐ時代だと阿久津や堤に話す。阿久津は若松の言葉に従って土地取引で小金を手にし、舎弟を従える身分となった。民法の「取得時効」の条文を知った阿久津は、所有者と連絡のつかない近所の空き地に名前を書いた空のキャビネットを置いた。
懐が豊かになった阿久津は那奈に何か買ってほしいものがあるかと尋ねたが、那奈は何もねだらず、ただ自分と戸籍を入れてほしいと答える。極道と家族になることを案じる阿久津は、その願いを受け入れなかった。やがて那奈との感情がすれ違い始め、阿久津は自宅に帰らなくなった。
しばらくして久しぶりに帰宅した阿久津は、那奈から健介に異変があると告げられ、診断の結果心臓に重い病気があり、移植以外に治療法がないと判明する。移植手術には海外に行くしかなく、しかも保険が利かないため億単位の金額が必要だった。阿久津は堤に頭を下げて借金を申し込む。話を聞いた堤は、出す金を上積みする代わりに、移植ブローカーに頼んでより早く確実に手術が受けられるよう取り計らうと答え、若松を始末するついでに組の金庫から金を奪う計画を持ち掛ける。組のナンバーツーになった若松は跡目が確実視され、そりの合わない堤には目障りな存在だった。
若松が一人で金庫番をする時間を狙って阿久津と堤は事務所を襲撃する。だがそこで若松が発した言葉に堤は逆上し、計画とは違う手順で殺害してしまう。金を奪って逃走する車中で、罪をかぶって捕まってくれという堤に阿久津は銃を向け、健介への手術実行を約束させる。ブローカーへの支払を見届けてから阿久津は自首して強盗殺人の容疑で逮捕され、無期懲役の判決を受けた。
収監後の阿久津は1年間だけ那奈に手紙を送り、その後那奈とは全く音信不通となる。面会に来た堤は出所したら仕事を紹介すると話すが、阿久津はなぜ自分を破門したのかと問いかけ、山分けする約束だった残りの金のありかは、手術をした証拠を見せなければ教えないと答える。以後堤が面会に来ることはなかった。阿久津は模範囚として勤め、仮釈放の申請を2度出したが受け入れ先がないという理由でいずれも認められなかった。だが阿久津はある確信を持っていた。(Wikipediaより転載)
<感想>
監督と脚本が『オッドタクシー』コンビと聞いて、観に行きました。地味な内容ですが、最後、不器用な愛にじわっと涙が出ました。とても良い邦画を観たという気持ちです。
※日本未発売のため画像はJUMP jBOOKSから。


