塚原あゆ子監督。満島ひかり主演、岡田将生、ディーン・フジオカ。2024年。
<ストーリー>
2023年。ブラックフライデーの前日を皮切りに、アメリカに本社を持つ世界最大のショッピングサイト・DAILY FAST(デイリーファスト、略称:デリファス)の日本支社・西武蔵野ロジスティクスセンター(LC)から配達された宅配便が顧客のもとで次々と爆発、1名の死者と多数の重軽傷者が発生する大事件となる。時を同じくして、西武蔵野LCに新センター長として福岡から舟渡エレナがやってくる。エレナはこの事件による莫大な損害や株価への影響などを憂慮し、部下の梨本孔と共に対応に追われるが、警視庁の担当刑事・毛利忠治と刈谷貴教からは全商品出荷停止を命じられる。エレナは警察と交渉し共同で安全確認を行いながら出荷を継続するものの、物流の乱れの影響は次第に大きくなる。
この間、エレナはSNS上に「DAILY FAUST」というデリファスと紛らわしいブラックフライデーの偽CMとともに、爆発事件より前に「1ダースの爆弾」をプレゼントすると投稿していたアカウントを発見するが、彼女はその件の通報を渋るような言動をみせ、孔は彼女に不信感を抱き始める。そして、警察の調べにより、かつて西武蔵野LCのチームマネージャーだった山崎佑という男性が偽CMを発注していたことがわかる。第4機動捜査隊の伊吹藍と志摩一未がそのマンションを捜査するが、彼の姿は部屋にない。実は山崎は5年も前に西武蔵野LC内で飛び降りて重傷を負い、入院後植物状態におちいっていた。飛び降りは自殺の可能性が高く、捜査陣は伊吹が捜査時、部屋の中に女性の匂いを感じとったことと、マンションの防犯カメラに映った女性の記録、原因は過重労働か恋人との結婚の悩みか不明、という周辺証言から、氏名不詳の山崎の恋人に容疑を向ける。そして、爆弾を制作した春日信二が向島進や田島雄介らに逮捕されるも、彼女自身の行方は知れない。
一方、エレナの日本支社在籍データがなく、彼女によってデリファス在籍時の山崎の記録が消されたことを知った孔は、山崎の恋人がエレナではないかと疑い、彼女を問い詰める。エレナは孔と対話の最中、開けようとした荷物に爆弾が仕掛けられていることに気付く。爆発物処理班の小田島克己らが出動し無事処理が終わるまでの間、エレナは孔に自分が本当はアメリカ本社からの直接赴任で、過去に山崎の件を告発するため渡米してきたその恋人と接触し、協力を求められたが断っていたこと、その後重要な役職を経験したものの、重圧から不眠症に陥って治療を受け、休職からの復帰直後であることを打ち明ける。山崎の恋人への対応を気に病んでいたエレナに、孔は山崎が使っていたとされるロッカーに謎めいた落書きがあり、それを消さないようにと西武蔵野LCの社員間で申し送りがされていたことを明かす。その内容は、LC内のベルトコンベアの動きを自分が飛び降りることで止めることと推察され、山崎が語っていたというブラックフライデーへの恐怖を裏付ける。
エレナたちは犯人が物流システムの裏技を利用し、爆発物が出荷されるよう仕向けていたと推理、デリファスのデータベースに登録された派遣社員の中からこれを利用して12個の商品を発注した女性・筧まりかの存在を発見する。
エレナは、中継地点での爆発発生など混乱にさらされる羊急便の関東局局長で、協力を拒絶する八木竜平のもとを訪れて説得し、デリファスに対するストライキと、同業他社も巻き込んだ運賃値上げの交渉を勧める。影響で西武蔵野LCの物流は完全に停止し、デリファスが交渉に応じてストは成功、滞った爆発物回収と物流は再開する。エレナの上司で日本統括本部長の五十嵐道元は彼女の失態をなじるが、エレナは責任を認めつつ、逆に山崎の自殺未遂時に居合わせた五十嵐が、原因を筧との関係のせいにして会社の責任を逃れ、ほかの人々と同様この現状に「何もしなかった」罪を指摘する。
そんな中、エレナは男性だと思われていた最初の爆発の犠牲者が、自ら爆弾を起動させ自殺した筧だと気付き、遺体を解剖した不自然死究明研究所の三澄ミコトや中堂系らも、その所見から同じ結論にたどりつく。エレナたちはこれにより、回収が済んだかと思われた爆発物の最後のひとつが、出荷済み荷物の中にあると知る。松本里帆一家の元にあった荷物が危うく爆発するところを、配達員の佐野亘・佐野昭親子の機転で救われる。
4日間にわたる事件は終わったが、エレナはデリファスを解雇される。エレナはアメリカ本社の幹部・サラに、西武蔵野LCで山崎のデータを消すよう誘導されたことを蒸し返し、筧からの犯行声明は本社に届いていたが、これを無視し隠蔽に走っていたと指摘する。エレナは「爆弾はまだある」と告げて彼女とのビデオ通話を終了、新センター長となった孔に山崎のロッカーの鍵と今後の対応を託す。エレナは松本家に荷物の代品を届け、毛利らを待つ間に乗り込んだパトカーの中でぐっすりと眠ってしまう。一方西武蔵野LCでは、五十嵐が何かを探して館内を走り回り、孔がロッカーを見つめて考え込んでいた。(Wikipediaより転載)
<感想>
上映していた頃から観に行こうか迷っていたので、配信に来て、早速楽しみに観ました。冒頭から爆発シーンが派手で目を引きます。エレナが会社ファーストで最初はイライラしましたが、徐々に色々なことが分かり、企業に駒として潰された人の悲しさに心が痛みました。敵なのか味方なのか、ヒヤヒヤしたのも良かったです。モデルはamazonと思いますが、こんなシステムなんですかね。凄いですねえ。サスペンスとしてかなり面白かったです。


